おしえてください、先生。

「は?じゃー何、俺が盗んだとでも言うのかよ?」



金森くんに睨まれて、一気に縮こまる。

こっ、怖い……!!



クリスマスツリーのイルミネーションが、金森くん越しに見える。

金森くんはイルミネーションの影になっていて、余計に怖く見える。

恐怖でギュッと目を閉じた、その時。



「何してんだよ」



聞き慣れた声に、パッと目を開ける。

目の前には、険しい顔をした雄悟先生。

先生、と呼びかけたかったけど声が出ない。

雄悟先生は私の腕を掴んでいる金森くんの手首を掴んでいた。



「いでっ、いでででっ」
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