おしえてください、先生。
強く握られたのか、金森くんはそう言ってとっさに私の腕から手を離した。
雄悟先生が私の前に立つ。
まるで、守ってくれてるみたい……。
「お前、こいつに何してんの?」
雄悟先生の声は低い。
怒ってるみたい。
「何って、お前に関係ねーだろ! お前こそ南のなんなんだよ!」
「関係大ありだな」
雄悟先生はそう言って、私の肩を掴んで引き寄せる。
先生に触れられても、私の身体は震えない。
心臓が忙しなく騒ぐだけ。
「南は俺のもんだから」
え?
雄悟先生の言った言葉の意味がわからなくて、呆然としていると、先生は肩を抱いたままその綺麗な顔を近づけてくる。
ちょっと、待って。うそ……。
雄悟先生が目を閉じた頃には、私と先生の唇が綺麗に重なっていた。
触れた唇は柔らかくて、熱い。
私は驚いて、目を見開く。
雄悟先生越しにみえるクリスマスツリーのイルミネーションのまばゆさが、私たちを照らしていた。