おしえてください、先生。
生徒の好きな人 side 雄悟
南への気持ちを認めた次の日、俺は熱を出した。
あの寒い中、長時間濡れたままでいたわけだから当然と言えば当然だ。
正直、あの日の記憶はあまりない。
なんとなく、南が作ってくれた飯だけがうまかったことだけ、断片的に覚えている。
そして俺は、その日以来決意した。南とは距離を取ろうと。
まがいなりにも俺と南は先生と生徒。
生徒に対してこんな感情を持つなんて絶対に良くないし、南を困らせたくない。
授業に支障を来すなんてもってのほかだ。
南にはバレないように、距離を置こう。
これ以上、南を好きにならないために。
もし南がうちの高校に合格して、先生と生徒じゃなくなったら……。
そしたら、気持ちを伝えよう。
2週間ほど経ったある日、南より先に南の家に到着した俺は桜さんと話していた。
雷の日以来初めてゆっくり話せる機会だった。
「この間は本当にありがとうね~! 泊まってくれて助かったわ~」
「いえ、俺も心配だったんで」