性別≠不一致
告白

謎の気まずさが空間を支配する。


この気まずさを作った原因は俺だ。


竜司くんの冗談を真に受けて、逃げてしまった俺のせいだ。


会話の糸口が見つけられず、俺はただスピカの頭を撫で続けていた。


とりあえず何か喋ろう。さりげない感じで、この気まずさを払しょくさせよう。


「「あの」」


口火を切ろうとしたら、見事に竜司くんと被ってしまった。


余計に気まずい空気が流れる。


「あーと、千秋からどうぞ」


「いや、竜司くんから言って。俺のは対したことないし」


「じゃあお言葉に甘えて……」


ゴホンッと咳払いをすると、カウンター椅子をこちらに向けて、真っ直ぐに俺の顔を見つめてきた。

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