性別≠不一致
彼氏宣言
言っちゃった。言っちゃったよ俺。
付き合ってくれって。好きだって。
男相手に言っちまったよぉぉぉおおおおおおおお!?
平然と、冷静な態度を辛うじて作ってはいるが、内心はもうパニック状態だ。
頭の中にいる小さな俺が、頭を押さえながら脳内を駆け回っている。
マミさんやゴウさんに発破かけられて、マスターはなんか空気読んで下がっちゃうし、スピカに捕縛されて逃げられないし、なんかもうこれは俺も空気読んで告った方がいいんじゃね? とか思ってしまった数分前の俺をぶん殴ってやりたい。
もう駄目だ。お終いだ。
千秋はドン引き真っ只中なのか俯いたまま黙っているし、非常に居た堪れないというかもうこれはもう死ぬしかしない。死んでこの世からいなくなりたい。
頭の中の小さな俺は、太い縄を持ってきて、輪っかを作り天井に釣り下げている。
頭の中の小さな俺、まだ死ぬんじゃない。早まるな。
お前が俺の代わりに混乱して暴れてくれているから、こうして千秋の前では冷静でいられる振りが出来ているのだ。