性別≠不一致
これ以上話しても終着点などないし、中二病全開のダークな話など色んな意味で痛いだけだ。
女の身体に男の心。
そんな摩訶不思議な俺は無事大学に進学し、一人暮らしという自由気ままな生活を送っている。
中高ではどうしても隠しきれなかった性別も、大学では上手く誤魔化せた。
本気で隠そうと思えば、案外なんとかなるものだ。
流石にこの歳になれば、このアベコナな身体とも上手く付き合っていく覚悟もできて、四年間という短い大学生活を楽しむ余裕も生まれていた。
それでも、心の不安は残ったまま。
そんなある日、俺は彼と出会った。
大学三年の春。真夜中のプラットホーム。
その日はパラパラと小雨が降っていた―――