性別≠不一致
泡沫の夢

部屋に戻って、そのままベッドにダイブする。


蘇るのは『スピカ』での出来事。


今日は色々なことがありすぎた。


初めての告白。初めてのキス。初めての恋人。


よくよく考えたら凄く大胆な行動をしていたんだと気が付いて、火照った顔を枕に埋めて小さく叫んだ。


なんでキスなんかしたんだろ。絶対変態だと思われた。


初めての感触。ふっと漂ったタバコの匂い。


後悔と羞恥が襲いかかって来るが、それよりも喜びの方が勝っていて、ギュッ枕を握りしめる。


俺、竜司くんと付き合うんだ。竜司くんは俺のことが好きだったんだ。


嬉しい事実に思わず顔が綻ぶ。


恋人なんて一生出来ないと諦めてたのに、まさかこんなことになるなんて誰が想像出来ただろう。

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