性別≠不一致

そんな太一の行動に、クラスの皆より少しませていた例の彼女は「ちーちゃんに構ってもらいたいんじゃない?」と、笑っていた。


嗚呼そうか。太一は俺にかまってほしいのか。


なので本人の前で「もしかして俺のこと好きなの?」と聞いてみたら、太一は顔を真っ赤にさせながら教室から飛び出し、まだ授業が残っているのに家に帰ってしまった。


わかりやすぎる反応だ。なにも逃げなくてもいいのに。


それから太一の嫌がらせはパッタリ止み、それ以降は正攻法のアタックをしかけてきた。


勿論、丁重にお断りし続けたのだけど。


太一は俺のことを女として見ているから。女の俺と男女の付き合いをしたいと思っているから。


だから太一とは付き合えない。付き合う事なんてありえない。


そう何度も言っているのだけど、


「とりあえずそういうわけだから、もう俺のことは諦めるんだな」


「やだ。俺の諦めの悪さくらいわかってんだろ」

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