性別≠不一致
恋人同士の会話だったり行動だったりと経験は全くないが、予備知識は一応ある。
竜司くんは大人の社会人だから、こういったサッパリした関係になるのが普通なのだろうか。疑問である。
少しだけ、ほんの少し不安になったりしたけれど、こうして竜司くんと直接会えたら、その不安は一瞬にして消えてしまった。
やっぱ俺、竜司くんにベタ惚れだ。
一目見たたけで今までの不安が嘘のように消えてしまうとか、どこの少女漫画だよ。
カウンター越しに食器洗いの雑務をこなし竜司くんは、俺の発言に「そうだよ」と口にした。
「一人暮らしっていいよな。開放的というかフリーダムというか、なにしてもオールOKだし」
「確かに。女の子を連れ込んでも親バレしないしなぁ……」
ビクッと、不自然に竜司くんの肩が上下した。
俺はその一瞬を見逃さなかったぞ竜司くん。
「へぇ……思い当たる節があると?」