性別≠不一致
「今じゃないぞ! 学生時代の時にだぞ!」
「社会人になってからはないんだ?」
「も、モチロンデス」
すげぇ片言。分りやすいな竜司くんは。
「別に怒んないから。逆に竜司くんがモテないとか、そっちの方が大問題だよ」
間の抜けた表情をしている竜司くんだけど、俺がからかっているだけだとわかると「ヒデェッ!」と喚声をあげた。
やっぱ竜司くんは面白いな。いや、楽しいという表現が確実?
年上なのに頬を膨らませたりする所とか、年下のお子様にしか見えないぞ。
「そうだ。今日竜司くん家に遊びに行ってもいい?」
突如閃いた提案に、竜司くんは素っ頓狂な声をあげて、皿洗い用のスポンジを落としてしまった。
「今日はもう上がるんだろ? 折角だから竜司家で一緒に夕飯食おう。なっ?」
「いや、そう言われても……俺ん家、今すげぇ汚れてるぜ?」