性別≠不一致
「男の一人部屋なんて汚れてて当然だって。別に気にしないし」
それでも渋る竜司くん。
相当部屋が汚れているのか、それとも何か見られちゃマズイ物でもあるのだろうか。
粗方予想は付くけれど、そんな気を使わなくたっていいのに。
というか、見られちゃマズイ物を見てみたい。恐い物見たさの興味というやつだ。
瞳は泳いで、うーんと唸る竜司くん。
これは相当マズイ物があるとみた。いいねいいね、余計に行きたいよ竜司くん家に。
なので俺は、最終兵器を口にした。
竜司くんが絶対に食いつき、思わず「いいよ」と言ってしまう魔法の言葉を。
「ハンバーグ作るからさ!」
男はいくつになっても、お子様メニューが大好きなものなのだ。
唐揚げ、ハンバーグ、ラーメン、カレー、オムライス等々。男の胃袋など単純明快だ。