性別≠不一致
まあ当然か。待望の女の子が生まれて、名一杯可愛い格好をさせようと思っていたら当てが外れたのだから。
それでもいつしか「上が男の子ばかりだから仕方ないか」と母も諦めがついたらしい。
画して私の男子化はどんどん進むことになる。
仲の良い友達はほとんど男の子。
そうなれば遊びの内容も必然的に身体を動かすものばかりになってくる。
毎日生傷が絶えない私に、母はえらく心配していたようだが、当の本人は出来たばかりの瘡蓋を平気で剥がすという行為に浸っていた。
あれだけ傷を作っていたのに、こうして綺麗な身体を保てているのは奇跡に近いだろう。人間の身体って案外逞しい。
兄とも本気で喧嘩した。
殴り合いの大乱闘で、最後は母が止めに入って兄の方が一方的に叱られるという結末で終わる。
いくら私が悪くても、怒られるのは決まって兄の方。
末っ子でしかも女の子という武器は、それだけで兄を悪者にしてしまうのだ。