性別≠不一致
もう皿洗いが済んだのかと思っていると、右手に紙袋を掲げた千秋がやって来る。
その表情は、不気味なほど清々しい笑顔だ。
「竜司くん。食器棚の上から見つけたんだけど」
そう言いながら、袋の中身を手にする千秋。
「これ、なに?」
その手に握られている物は、以前一度だけお目にしたグロテクスなピンクの棒。
汗という汗が全身から噴き出し、動悸が激しくなって息苦しくなる。
わ、忘れてた! 置き場に困ったから、とりあえず食器棚の上に置きっぱにしていたことを!
ニコニコから徐々にニヤニヤに変わっていく千秋の表情。
もしかして、千秋さんのドSスイッチが入ってしまわれたのですか?
「竜司くんの性癖にとやかく言うつもりはないけどさ。さすがに玩具を使うのはちょっとアブノーマルじゃない?」
「ち、違うんだって! それはマミさんが無理やり俺に持たせて!」