性別≠不一致
悲しきかな社会人の性。しかも特殊な職業だから、休日はほぼランダムだし。
嫌な上司さえいなければ完璧な職場なのに。マミさんさえどこか遠い世界へ行ってくだされば全て解決するのに。
セクハラのうえにパワハラ、おまけにプライベートまで介入とか、これもうブラックってレベルじゃねえな。
これもう弁護士に頼んだら俺勝てんじゃね?
そう思ったりもしたけれど、報復が怖いのでその考えた心の内にそっとしまった。
マミさんを敵に回してはいけない。何度も言っているが、彼女だけは本当に敵にしてはいけないのだ。
「いやぁ、ほんま竜司とマミは話題に事欠かさん存在やなぁ。お陰で執筆意欲がモリモリ湧くわぁ」
「いつまでも第三者気分でいると、その内デッカイしっぺ返しがきますよ」
「ないない。俺はいつでもどこでも清く正しく生きている人間やからな。しっぺ返しなんか」
「見つけましたよ先生ぇっ!」
来客を告げるベルの音が掻き消されるほどの怒号が、店内に響き渡る。