性別≠不一致
ということはつまり、オアシスが干上がってしまったのか。
『スピカ』以外にもオアシスがあると言っていたけど、今回は編集者さんの鼻が効いたようである。
「ゴウとよっちゃんさんのバトルは見物よ。めったに見られないから脳裏に刻んでおきなさい」
不敵な笑みを浮かべながら、マミさんはそんなことを言ってのける。
バトルって、作家と編集者のバトルってこと?
なるほど、確かにそれは見物だ。
若手大物作家とその担当。より良い物を作り上げるために、互いのプライドを衝突させるのだ。
名作が生まれる瞬間をお目に出来るなんて、一生であるかないかの貴重な体験。
でも、
「こんな駄作が売れるかぁあああ!」
俺が思っていた打ち合わせとは違った。