性別≠不一致
愛情指数
カウンターテーブルに突っ伏して、何度目かの溜息をつく。
陽気でアップテンポな曲が店内にかかっているが、それに反比例するかのように俺の気持ちはどんどん降下していく一方。
なんもやる気が起きない。店に客がいないといえ、これじゃあ給料泥棒だ。
でもやる気がないからこれでいいかと不貞腐れる。頭の中で『The☆ダメ人間』という単語が浮かんだ。社会人失格だ。
グダグダしていると、ゴンッと脳天に衝撃が走った。
「マイナスオーラ出してんじゃないわよ。店の雰囲気が悪くなるじゃない」
「だってぇ……」
「大の男が情けないわね。そんなんじゃちーちゃんに嫌われるわよ」
「……もう手遅れかもしれない」
自分で言っておきながら、ちょっとだけ傷ついた。
わけがわからないといった具合に、首を傾げるマミさん。
事の始まりはほんの些細なことだったのだ―――