性別≠不一致

千秋の眉間に皺が寄る。


ムッとした表情を見せるが、特に反論もせずにペンを握ってレポートを再開させた。


なんだよ。ちょっとぐらい挑発に乗ってこいよ。


口論すらしたくないってことかよ。完全無視かよ。


……むかつく。






「で、居心地の悪さを感じたちーちゃんは、空気を読んで店から出たってわけね」


マミさんの声色は冷たい。


でも今回ばかりは俺に非があるので、マミさんの殺意の籠った視線も言葉も甘んじて受け入れる。


「かまってちゃんとかウザイにも程があるわね。26にもなる社会人が取る行動とはとても思えないわ。どっちが年上なのかわかりゃしない」


「ごもっともなご意見です」

< 231 / 281 >

この作品をシェア

pagetop