性別≠不一致

本当にマミさんの言う通りだ。俺の方が六つも上なのに、ガキみたいに拗ねて千秋を困らせた。


かっこわるすぎ。まじで情けねえ。


今までこんなことなかったのに。何故か千秋が相手だと、冷静でいられないというか、時折な不安な気持ちで一杯になるのだ。


千秋が本当に俺を好いてくれているのか。千秋の言葉から直接「好き」だとは言われていない。


普通に考えれば、男の千秋が俺の告白を受け入れてくれた時点で、答えは自ずと出ているだろう。


でもやっぱり、直接聞かなきゃ不安になる。疑いたくもなる。


ましてあれ以来キスもしていないのだから、余計に千秋の気持ちが気になって気になって……。


「キモッ。四捨五入でアラサーになるおっさんが、なに乙女思考に走ってんのよ。口から出まかせなんていくらでも言えんの。言葉なんかで愛情指数がわかってたまるもんですか」


「んなこと百も承知だっての」


マミさんに愚痴ったところでなにも変わらない。

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