性別≠不一致

「絶対ない! それだけは天地が引っ繰り返ってもありえない!」


「どうだか。あんたみたいな素人童貞は、目の前に御馳走がぶら下がってたら、迷いもせずに跳び付く下世話な人種だからね」


「素人童貞じゃねえよ! 全国の素人童貞に謝れ!」


「謝らないわ。だって事実じゃない」


「そう押し切られては、俺はもう何も言えません……」


「ばっかやろうっ!」


何を思ったのか、突然マミさんの拳骨が脳天に直撃した。な、なにをする!?


「押し切られてどうすんのよ! 私みたいな純情華麗なお譲様の柔らかい押しに負けてるようじゃ、人様の男を奪うようなハイエナ女の押しに勝てるわけないじゃない!」


「……純情華麗? 誰が? どこにいんの?」


「よーし、わかった。今日の晩御飯はミートパイに決定ね」


「ごめんなさいっ……! 誠に申し訳ありませんっ……!」


俺、ここに来てからずっと命乞いをしている気がする。
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