性別≠不一致
うーん。基本能天気な太一に悩みなんてなさそうだけど。
「っせー。ちょっとテンションがハイになっただけだ」
「ふーん。もしかして、俺が電撃参戦して嬉しかったとか?」
んなわけないかと一人でオチをつけたが、なぜか太一は押し黙ってしまった。
「……まじ?」
冗談で言ったつもりだったのに。どんだけ俺のこと好きなんだよお前。
「ばっかじゃねえの。少女マンガじゃあるまいし、そんなことで浮かれんなバーカ」
「っせーな。そんくらいお前のことが……好きなんだよ」
静寂の中にも音はある。
遠くから聞こえる車の音に、夜風に吹かれる木々の葉音。
そして、明らかに照れくさそうに発する太一の声。
酔ってても告白とは、本当に図太い神経をしてるよこいつは。