性別≠不一致

つまり明確な理由がないってことじゃないか。俺も人様のこと言えないけどさ。


「馬鹿じゃねーの?」


「なっ!?」


「男女に惚れる変人は、一人だけで十分だよ」


一人だけでいい。


竜司くんだけで俺は十分幸せなんだ。


ヘタレでスケベで仕事も満足に出来ない人だけど、誰にでも平等に優しく接する事が出来る人。


俺はそんな竜司くんの優しい心に魅かれたんだ。


「お前は良い奴だけどさ」


そっと太一の頬に触れる。


すげぇ熱。こんなことしといて羞恥心に煽られてんじゃねえよ。


「俺のことを男としては見てくれない。見ようとすらしない。太一にとってはどうでもいいことかもしんねえけど、俺にとっては凄く重要なことなんだ」
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