性別≠不一致
スピカ
「だからって、テメェの犯した罪が消えるわけじゃあねぇよなぁ? 竜司くんさんよぉ?」
「……」
「なに? 黙秘権でも行使してるつもりなの? あんたみたいな家畜の餌にすらならないような奴が、なに一丁前に人間様の権利を使ってるわけ?
まじありえないんだけど。日本国憲法とGHQに泣いて謝れ。そんで東南アジアにでも行って臓物全部売っぱらえ。最後ぐらい人様の役に立ってから逝け。もちろん地獄にな!」
『スピカ』には日常が戻っていた。
どこから情報が漏れたのか、竜司くんの浮気がマミさんにバレてしまい、たっぷり扱かれている真っ最中。
マミさんは笑顔を絶やさないが、既にお説教をはじめて一時間ほど経過していた。
その間ずっと竜司くんは正座。きっと痺れを通り越して足の感覚が消えているだろう。
そこまでしなくてもいいのにと思ったけど、やっぱり心のどこかでは浮気をした竜司くんを許せない気持ちもあったのか、静観することに決めこんだ。
相手の女性にも悪いことをしたし、ここらでお灸を一つというわけだ。
にしてもマミさん、何時にもして凄い覇気だ。今なら“ひとつなぎの大秘宝”も見付けだすことができそうだ。