性別≠不一致

それまでほとんど会話をしたことがなかったが、席が隣同士ということで仲良くなった。


いや、隣だからというのは関係ないかもしれない。


女の子よりも男の子と遊ぶ機会が多かった私は、女の子のグループというのが苦手だった。


あのギスギスとした、互いに互いを牽制し合う独特の間合いが嫌いだった。


トイレも一緒、ご飯も一緒、遊ぶのも一緒。


でも心に一線を引き、その線を踏み越えぬように腹の底を探り合う。


誓いを立て、それを破る者は徹底的に弾圧する。


そんなものが果たして友達と呼べるのか?


なぜグループを作り、互いを束縛するのかが理解できなかった。


でもそれは、彼女達も思っていたことだろう。


女の子の私がどこのグループに属することなく、男の子と一緒になってふざけ合う私に疑問を感じていたに違いない。


だから私には女の子の友達がいなかった。
< 5 / 281 >

この作品をシェア

pagetop