性別≠不一致
最近では初めて豆腐ハンバーグを作ったけど、なかなか美味く出来上がった。
母からは「これでいつでもお嫁に行けるわね」と俺の料理スキルの上達を喜んでいたっけ。
残念ながら、俺は嫁なんぞにいかないが。
「お茶組みすらまともに出来ない竜司のクズ野郎じゃなくて、ちーちゃんがバイトに入ってくれれば良いのに」
ニッコリと微笑みながら、さらりとマミさんは毒を吐く。
でも竜司くんは慣れているようで、意に介す素振りも見せず一心不乱に皿を洗っていた。
「へいへいそうですねー。俺も女の欠片なんか微塵も感じない変人女より、真面目な千秋と働きたいですよーだ」
互いに口撃を繰り広げる。
だけどこんだけ言い合えるんだから、なんだかんだで仲が良いんだろうな。
そして俺、さりげなくバイトに誘われている?
「そういや千秋ってバイトしてんのか? 一人暮らしなんだろ」
「嗚呼……実はしてないんだ。半分ニート」