性別≠不一致
威圧感という名のオーラが全身から放たれて、こうなってしまうと迂闊に声をかけられない。
マミさんの一方的な攻撃は、やる気スイッチを探して押し当てるための行動だったのだろう。
……ということにしておく。
もしかしたらマミさんの言う通りドMなのかも知れないと思ったことは秘密だ。
「全く、なにが人間の根源に焦点を当てた重厚なストーリーよ。完全な独り善がりじゃない」
「同人作家のお前だけには言われたくあらへんわー」
「あぁっ?」
マミさんが睨みを利かせると、ゴウさんは慌ててパソコンに視線を戻す。
同人作家? 初めて聞く単語だ。
「マミさんも作家さんなんですか?」
何気ない質問だった。