性別≠不一致

威圧感という名のオーラが全身から放たれて、こうなってしまうと迂闊に声をかけられない。


マミさんの一方的な攻撃は、やる気スイッチを探して押し当てるための行動だったのだろう。


……ということにしておく。


もしかしたらマミさんの言う通りドMなのかも知れないと思ったことは秘密だ。


「全く、なにが人間の根源に焦点を当てた重厚なストーリーよ。完全な独り善がりじゃない」


「同人作家のお前だけには言われたくあらへんわー」


「あぁっ?」


マミさんが睨みを利かせると、ゴウさんは慌ててパソコンに視線を戻す。


同人作家? 初めて聞く単語だ。


「マミさんも作家さんなんですか?」


何気ない質問だった。
< 66 / 281 >

この作品をシェア

pagetop