性別≠不一致

マミさんもそんな感じだし、ゴウさんは元々お客さんでマミさんの幼馴染だから、なんかちょっと違う。


だからこっちに来てから友達らしい友達は、千秋が始めてだった。


最初は生活費稼ぎのバイトだったが、今では『スピカ』で千秋と話をすること俺の数少ない癒しとなっている。


そうだから、マミさんにセクハラ的なことを強要されても我慢できる。我慢できるのだ。


「私ってほんと天才ね。自分で言うのもなんだけど」


自信満々に言い放つマミさん。


俺に手にはマミさんから手渡された紙切れが数十枚。


コマ割りされた紙上には、ラフ画と呼ばれるイラストが描かれている。


「毎度毎度同じことを聞きますけど、どうしてこれを俺に見せるんすか?」


「第三者の直感的な感想を聞きたいのよ。アマチュアとはいえ金を取るんだから、良い物を提供したいじゃない」


マミさんは同人作家と呼ばれる絵描きだ。
< 72 / 281 >

この作品をシェア

pagetop