性別≠不一致
だって目が本気だから。既に何人か手にかけている目つきだから。
なんとか落ちつかせ包丁をしまわせる。
危なかった。マミさんなら突発的な殺人も完全犯罪にさせそうだ。
「でも最近は創作意欲がどんどん湧いてくるから助かるわ。やっぱり身近に萌えがあるといいわね」
「萌え?」
「ちーちゃんのことよ」
ニッコリとするマミさんとは裏腹に、俺の表情は訝しげなものだっただろう。
まさかこいつ、千秋を使って如何わしい妄想をしてるんじゃ……。
「マミさん……あんた俺の友達を変な性癖の餌食にしてんじゃねえだろうな?」
「精液? なにそれ卑猥」
「性癖っつってんだろ! あんたの耳はどうしてエロワードに変換しちまうんだよ! 中学生か!」
「フェラーリとかチュッパチャップスとか、意味もなく興奮する単語よね」