性別≠不一致
身体と心
小学校五年生にして身体と心の不一致を悟った俺は、打開策など見付けられるはずもなく、ズルズルと思春期に突入してしまった。
そうそう、好きになったあの子には告白をした。
何を思ったのかは自分でもわからない。答えなど100%分かり切っているのに、俺は玉砕覚悟で彼女に告白した。
自分の気持ちに嘘などつけるわけがない。それにこのまま“女友達”という枠で彼女と接するなど無理だと思った。
それは余りにも辛すぎる。
女友達として付き合う以上、俺は女の子にならなければならない。
自分の心に嘘をついて、本当は男なのに女を演じて、そこまでして手に入る最良のポジションはせいぜい頑張った所で親友止まりだ。
そして彼女の親友になってしまえば、俺は彼女の前では一生女の子として生きて行かなければならない。
そんなのは無理だ。いずれ必ずボロが出る。
だって俺は彼女が好きだから。本当に好きだから、親友というポジションで満足なんて出来るわけがない。