性別≠不一致
大人しくしてたから、マスターがいることをすっかり忘れていた。
というか、孫が凄まじい爆弾発言を次々とぶちかましていたのに、よく静観できたなこの人は。
マスターはコーヒーカップを磨きながら、微笑み返す。
「私は悪い道にさえ進まなければ、マミの味方ですよ」
18禁のBL漫画を描いていることが悪い道じゃない……だと……?
孫可愛いフィルターがかかっているのか、マミさんの突き進んでいる道がアブノーマル過ぎて目を逸らしているのか。
いずれにせよ、マスターもマミさんの手の内にあることが判明した。
「でもね、ちーちゃんってなんかこう、憂いがあるというか。なんか秘密がある感じがするのよねぇ」
「秘密?」
いきなり何を言い出すんだろう。トチ狂ったかマミさん。
「秘密の一つや二つ誰にもあるだろ。マミさんだって自分が腐女子だって千秋に隠してるじゃん」