性別≠不一致

でもマミさんに相談するわけにはいかないし、マスターにもこんな話をしたら吃驚して心臓止まっちゃいそうだし、仕事仲間になんか絶対話せない。


だから経験豊富なゴウさんを選んだのだが、この人もダメだった。


真面目に答えてるようで腹の中では楽しんでやがる。


嗚呼クソッ。もうようわからん!






そんな情緒不安定な状態で、千秋が店に来たもんだから大いに焦った。


店というのは『スピカ』ではなく、俺が務めている美容室にだ。


ここで働いていることは前々から話してはいたが、突撃訪問を仕掛けたもんだからビビった。


レジ打ちをしていたら、店の入り口から千秋が入ってきたもんだから、客に渡すお釣りを落としてしまったぐらいだ。


なんとか会計を済ませて千秋の対応をする。


「いらっしゃいませ……初めての御来店ですよね?」
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