この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
俺はなき続ける美代から懐中電灯を預かると
美代の小さな手をひいて歩き出した。
「危ないから家まで送る」
美代は終止鼻をすすりながら、大人しく俺についてきた。
美代…
美代の手を引きながら
俺は美代を守れる喜びを噛みしめていた。
美代の部屋の前まで来たときに美代はぽつりと言った。
「あの…私あなたと知り合いでしたっけ?」
アパートの明かりに虫が集まって飛んでいる。
「え?なんで?」
俺はぎくりとしながら美代の方を振り返った。
明るい中で初めて向かい合った俺と美代。
「っ…///」
美代は慌てて涙と鼻水まみれの顔を拭い
俺は慌ててそんな美代の手を離した。
「だって…私の名前呼んだし、住んでる場所も…」
美代は恥ずかしながら、必死に顔を拭うも
泣きすぎたせいか鼻水がぴろんと下に伸びていた。
「あ―…実はこの辺りに住んでて」
俺はそんな美代を見つめながらまた嘘をついた。
どうしても嘘が重なる…
そう言えば、いつか銀が聞かせてくれたピノキオは
嘘をつくと鼻が伸びるらしい。
俺、ピノキオじゃなくて良かった。
美代の小さな手をひいて歩き出した。
「危ないから家まで送る」
美代は終止鼻をすすりながら、大人しく俺についてきた。
美代…
美代の手を引きながら
俺は美代を守れる喜びを噛みしめていた。
美代の部屋の前まで来たときに美代はぽつりと言った。
「あの…私あなたと知り合いでしたっけ?」
アパートの明かりに虫が集まって飛んでいる。
「え?なんで?」
俺はぎくりとしながら美代の方を振り返った。
明るい中で初めて向かい合った俺と美代。
「っ…///」
美代は慌てて涙と鼻水まみれの顔を拭い
俺は慌ててそんな美代の手を離した。
「だって…私の名前呼んだし、住んでる場所も…」
美代は恥ずかしながら、必死に顔を拭うも
泣きすぎたせいか鼻水がぴろんと下に伸びていた。
「あ―…実はこの辺りに住んでて」
俺はそんな美代を見つめながらまた嘘をついた。
どうしても嘘が重なる…
そう言えば、いつか銀が聞かせてくれたピノキオは
嘘をつくと鼻が伸びるらしい。
俺、ピノキオじゃなくて良かった。