この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「え?!あ…マキロンで…というかやりますよ」


俺のSOSに美代は慌てて俺の前くると


椅子に座った俺の足の消毒を始めてくれた。


足にガーゼを当てて青いキャップのボトルの液体を傷口につける美代。





「痛…!」


ひんやりした液体が注がれた瞬間、ズキッとしみるような痛みが傷口に広がった。


「おい…痛いぞ…」


しかし美代は俺が痛がってもぼんやり何か考えているようで


無心で液体を傷口に注ぎ続けていた。


「っ………!」


液体はガーゼから溢れて床にポタポタ落ちている。


「お…おい、もう良いんじゃねぇか?」


「へ…?」


俺が美代の手に触れると、美代はようやくボトルの注ぎ口を上に向けた。


しかしまだどこかぼんやりした美代に


俺は仕方なく薬箱の中からガーゼを取ると濡れた床を拭いた。


そんな俺を眺めながら、ようやく美代は呟いた。


「あの…やっぱりあなた…私の親戚かなんかですか?」


「――は?」


濡れたガーゼを片手に首をかしげる俺。


そんな俺を見つめながら美代は続ける。


「まさか…パパに頼まれて私の様子をこっそりみに来たとか??」


「いや……だからなんで?」


なんでそんな話になってんだ?


意味が分からない俺に美代は言った。


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