この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
新しい朝
―――翌朝
俺は部屋の暑さで目がさめた。
じっとりと汗で濡れた体に薄目をあけると
隣の布団では美代が寝ていた。
「美代…」
むにゃむにゃと小さく動く唇からは、少しよだれが出ている。
美代は寝ながら口を半開きにする癖があるらしく
寝顔はいつもこんな感じだ。
美代の変わらない穏やかな寝顔に安堵しつつ
俺は体をゆっくりと起こした。
薄暗い部屋のカーテンの向こうは既に明るくなっているのか
カーテンの隙間からは外の光がもれている。
俺はうーんと伸びをして立ち上がった。
そして美代を起こさないようにこっそり寝室を出ようとした。
―――瞬間
俺は体の違和感に気付いた。
「……??!」
か、下半身が……
「な、なんで…?」
別にヤラシイことも何も考えていないのに
下半身がなぜか大変なことになっていた。