この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
ほどなくして店員からアイスを受け取ると


俺と美代はレストラン街の人混みをさけ、2階にあるテラスに移動した。


モールの2階のテラスは吹き抜けになっていて開放感がある。


俺と美代は手すりにもたれながらアイスを食べることにした。


「いただきま~す」


美代は2段重ねになったアイスクリームをペロッと舐める。


「ん~ッ美味しい~!」


ほっぺが落ちそうな顔でペロペロとアイスクリームを舐める美代を見て


俺の口元も自然にゆるむ。


「美代、うまそうだな」


「うん☆美味しいよ~」


美代の笑顔を見ながら俺も自分のアイスを口元に近付けた。


のんびり屋な美代はペロペロと舐めて食べているが


俺としては、ちまちませずに一気に食べたい。


俺は口をあけてアイスにかじりついた。


アイスの塊が口の中に溶けて、一気にひんやりと冷たくて甘い味が広がる。


うん、なかなか旨いな



そう言おうとした瞬間だった。


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