この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「…美代」
美代の優しさに
言葉に
俺の心は切なく締め付けられた。
昨夜も感じたけれど
うさぎだった俺は、こんなにも美代に大切にされていたんだな。
「美代」
美代の寂しさを、今の俺が埋めたい。
「大丈夫だ。」
俺のはっきりした言葉に美代は振り向いた。
俺は美代を見つめる。
「マサルも今頃、楽しくやってる。俺が保証する」
「…………」
俺の言葉に美代は不思議そうな顔をした。
「…なんでマサルさんに分かるの?」
美代の言葉に俺は困窮してしまう。
「そ、それは…」
そんな俺に美代は小さく笑った。
「ふふ。だけどなんでかな…?マサルさんに言われると本当に本当みたいな気がしてくるね」
そういってまた笑う美代。
俺は美代から少し顔を背けた。
「本当に本当みたい…じゃなくて俺には分かるんだよ」