この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

その後、俺と美代は布団を買って家路についた。


「ふぅ~!久しぶりにこんなに買い物したぁ」


家につくなりリビングでぐだっとなる美代。


俺はそんな美代の横に買ってきた服や布団をドサッと置くと


キッチンに向かい夕飯の支度を始めた。


「え!マサルさんちょっと休憩しないの?」


慌てて腰をあげようとする美代に


「いや、俺そんな疲れてないから。美代は休んでていいぞ」


本当ならこの汚い部屋を掃除もしたいぐらいなのだが…


時間的に掃除は明日になりそうだ。


そんな俺の隣に美代がやってきた。


「マサルさん料理できるの?」


私も手伝おうか?と美代は俺を見てきた。


そんな美代に俺は包丁に手を伸ばしながら答えた。


「悪いが美代よりは出来る」


「へ?」


俺の言葉に美代はポカンとした。


「マサルさん、料理屋でバイト経験でもあるの?」


俺の隣で興味ありげに質問をする美代に俺は答える。


「いや。実際にこの手で料理を作るのは初めてだ」


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