この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「あぁアキラ先輩?どうかな?今日は来てなかったけど…」


そう言いながら美代の表情も暗くなっていく。


俺と同じように


美代もまたうさぎのマサルの件があって以来、あのヒゲ男とは気まずいようだ。


「あ、でね?みんなにはマサルさんをうちに泊めてる事は言ってないんだけど」


美代は場を切り替えるように、少し明るく言った。


「さすがに一緒に住んでるとか恥ずかしくて…うまく事情も話せそうにないし」


そう笑う美代に俺もうなずく。


「じゃあ俺は適当に美代の従兄(いとこ)みたいな顔しとけばいいか?」


「うん。それが良いかも。ありがとう」


美代は安心したようににっこり笑った。


「日にちは明後日だから」


「わかった。」


「明日はマサルさんの水着とか見に行く?」


「いや、俺は水着は要らないよ」


美代が買ってくれた服の中に、膝丈のパンツがあったはず。


それで充分だ。


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