この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
は?

え??


「………??」


俺はなんと返せば良いのか分からず戸惑った。


そんな俺の沈黙を押し流すように夏美が声をだす。


「うわぁ、あんた頭おかしいと思ってたけど悪霊まで憑いてたんだ」


……あ、悪霊??


ますます意味がわからない俺に美代が説明してくれた。


「メイはね、実家が神社で霊視とか占いとか出来るの」


「は?霊視?」


「うん。でも悪霊はあくまでも夏美の妄想だよ。私はマサルさんには優しい神様が憑いてると思う」


そう言って小さく俺の手を握った美代。


混乱する俺を美代なりに励ましてくれたらしい。


そんな俺にメイはゆっくり近付いてきた。


そして無表情のまま、チョンチョンと俺の肩をつついてきた。


??


「みみ」


「え?みみ?」


頷くメイ。


どうやら俺に耳を貸せと言っているようだ。


俺は戸惑いながらも美代から少し離れて、メイに合わせて腰をかがめた。


俺の耳元へ、すっと唇を寄せるメイ。


そしてメイは小さく囁いた。












「私には、あなたの本当の姿が見える」








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