この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

「!!!」




本当の姿が…見えるだと?!


俺は勢いよくメイを見た。


そんな目を見開く俺に、メイはクスッと笑う。




「え?メイが男に触って…しかも笑いかけるなんてどういうこと?!」


俺とメイの様子に、夏美がまた騒ぎだす。


「彼は特別」


メイは静かに微笑みを浮かべた。


「う…///メイがそういうなら…別に私はいいんだけどさっ」


夏美はデレたかと思いきやすぐに俺をキッと見る。


夏美の鋭い視線にたじろぐ俺。


「ま、そういう訳だから仲良くしてあげる」


「は…ぁ!?」


「よろしくね、マサル」


そう言って夏美は腰に手を当ててふんと笑った。


「あはは、良かったねマサルさん」


そんな夏美を見て美代も笑っている。


なんだかよくわからないが…


俺の心中は正直それどころではなかった。


メイの言葉が頭の中をリピートしている…


俺がメイを見ると、メイは涼しい顔で遠くに視線をやっていた。


自然と俺もメイに視線を合わせる。


その視線の先にはヒゲ男がいた。



< 176 / 513 >

この作品をシェア

pagetop