この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「!!!」
本当の姿が…見えるだと?!
俺は勢いよくメイを見た。
そんな目を見開く俺に、メイはクスッと笑う。
「え?メイが男に触って…しかも笑いかけるなんてどういうこと?!」
俺とメイの様子に、夏美がまた騒ぎだす。
「彼は特別」
メイは静かに微笑みを浮かべた。
「う…///メイがそういうなら…別に私はいいんだけどさっ」
夏美はデレたかと思いきやすぐに俺をキッと見る。
夏美の鋭い視線にたじろぐ俺。
「ま、そういう訳だから仲良くしてあげる」
「は…ぁ!?」
「よろしくね、マサル」
そう言って夏美は腰に手を当ててふんと笑った。
「あはは、良かったねマサルさん」
そんな夏美を見て美代も笑っている。
なんだかよくわからないが…
俺の心中は正直それどころではなかった。
メイの言葉が頭の中をリピートしている…
俺がメイを見ると、メイは涼しい顔で遠くに視線をやっていた。
自然と俺もメイに視線を合わせる。
その視線の先にはヒゲ男がいた。