この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「いいのいいの!」
そう言うと
美代は笑顔で洗い物を片付け始めてくれた。
「はぁ…んじゃ仕方ないから、私とメイは伝票でもやるぅ?」
「構わない」
夏美の言葉にメイもこくんと頷く。
夏美たちまで…
正直、伝票をしてもらえるとかなり助かる。
注文を聞きすぎて耳鳴りがしていたから。
「ありがとう…悪いな」
お礼をいう俺に
「別にあんたの為じゃないし?てか最後に何か奢りなさいよね」
夏美はツンツン言いながらも、俺をみてフンと笑った。