この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
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――――…









「ちょっと休憩しよか~!」




客足がようやく落ち着いた頃、


山吹は店先の看板を一旦
OPENからCROSEに変えた。


「皆さんご苦労さん♪」


山吹はそれぞれにオレンジ色のペットボトルを差し出す。


「はぁ~…マジ肩こったし」


夏美はペットボトルを受け取りながら伝票を書き続けていた腕を大きく回した。


「適当に腰かけてな~」


店の隅にあった丸椅子を適当に置いていく山吹。


くたくたに疲れていた俺は有難くその椅子に座ることにした。


そんな俺の元に美代がやってきた。


「マサルさんこれ、もう冷めてるけど…」


「ん?」


俺が顔を上げると美代は俺にタッパーを差し出していた。


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