この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「ッ…!アンタまじ殴る!」


真っ赤になった夏美は拳をふるいあげながらカウンターに向かって行こうとした。


そんな夏美の腕を掴んで美代が止めに入る。


「ちょっ…夏美ぃ落ちついて!アキラ先輩も酷いよ」


しかしヒゲ男は美代の前では強気に出る癖があるらしく


余裕の笑みで笑った。


「いいんだよ、コイツだっていつも俺のことけなすし」


「は?どれも真実なんだけど」


「俺だって真実を言ってるだけなんだけど」


「………!」


ヒゲ男の言葉に夏美は唇を噛みしめた。


「てか、こんな狭い店内でなにしてんだよ。俺たちはせっかく海にいるんだぜ?海に。」


「ふんッ、私たちは今までみんな一緒に働いてたのよ」


「は…働く?」


「そうよ!働くマサルさんが、すっごくかっこよくて美代なんかメロメロだったんだから」


「はぁ…!?」


ヒゲ男の顔が歪む。


「ね?美代。マサルさん超素敵だったよね~」


「な、夏美やめてよ…///」


仁王立ちして腰に手をあてる夏美に、それを制する美代。


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