この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
しばらく歩くと電柱に止まっていたカラスが俺の前に舞い降りてきた。


『よぉ…なんか用かよ』


『あ?鳥の言葉がわかんのカァ?』


ケラケラと笑うカラス。


『そうだ…あんた緑地公園ってどこか知らねぇ?』


カラスは俺の言葉に仲間を呼んだ。


あっという間に俺は数羽のカラスに囲まれる。


ちょっとヤバい予感がするが、俺は気丈に振舞っていた。


『緑地公園知らね?ってカァ』


『緑地ったら昼行ったカァ』


『それより腹減ったんだカァ』


ギャアギャア俺の周りで騒ぎ立てるカラス達。


『うさぎ喰うの初めてカァも』


一羽のカラスが俺の尻をつついた。



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