この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
その後はみんなでバーベキューの後片付けをした。


後片付けも終盤を迎えた頃、一人の部員の携帯がなった。


「あ!部長からだ」


その声に全員の手が止まる。


部長の話では、夏美もヒゲ男も今日の内に帰宅出来るようだ。


その知らせに、全員が顔を見合せ、ようやくその顔にいつもの活気が戻った。









全てが一段落した頃には大きな太陽が海をオレンジ色に染めていた。


ゴミも綺麗に拾い終え、綺麗になった砂浜。


部長がいない中、4回生がその場を取り仕切りそれぞれに解散となった。


「私たちも帰ろうか」


美代の言葉に俺と美代も浜辺を後にしようとした。



そと時、ふいに山吹が現れた。


「マサルさ~ん、お疲れさん」


「山吹…!」


俺と美代は足を止める。


そう言えば、山吹はずっと姿がなかった。


「どこ行ってたんだよ。大変だったんだぞ」


「まぁまぁ。俺はこれを用意しとったんや」


山吹は手にした封筒をヒラヒラとこちらに差し出した。



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