この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
―――――――‥…
ひんやりと固いコンクリートの感触が火照った頬に気持ちいい……
『…う………』
ズキッと痛む頭。
意識が戻った俺はうっすらと目をひらいた。
目の前には横を向いた美代のアパートのドアが見える。
どうやら…意識を失った俺はそのまま倒れていたらしい。
どのくらい倒れていたんだろう…?
倒れた時に強く打ち付けたのか頭が鈍く痛むけど、動悸はもう消えていた。
一体なんだったんだろう…
忍び寄る影に不安を感じつつ
とりあえず美代が心配しているだろうから帰らなきゃ…
しかし俺が体を起こそうとした時に、ちょうどドアが開いた。
そして中から美代の大きな足が現れた。
『あ、美代…』
俺は体を横たえたまま美代を見上げる。
それにしても…美代はこんなに大きかっただろうか?
美代と目があうと、美代は口元に手を当て目を大きく見開いた。
「マ…マサルさん…ッ!!」
そのまま美代は俺を抱き上げた。
あれ?
抱き上げ………?