この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「マサルさんッ!!逢いたかったよぉ…!!」


美代は俺をぎゅうっと抱きしめた。


『え…?!み、美代??!』


なんだか何もかもがおかしい。


俺は混乱する頭で手足をバタバタさせながら辺りを見渡した。


すると、なぜだろう…


俺が倒れていた場所には、散らばった衣類とおにぎりが散乱していた。


しかもあの服は…


俺が今日着ていたものに似ている…?


『は…???な……?!』


俺は小さく震える自分の手を見た。


そこには


懐かしい肉きゅうが………


そしてそれを包むように柔らかな白い毛並みが生えていた。


『な…なんで……!?』


俺は血の気が引いていくのを感じた。


『お、おい美代…?』


俺は恐る恐る美代を呼ぶ。


『なぁ、美代ってば…』


しかし美代は俺を抱き締めたままだった。




まるで俺の声が届いていないかのような―――…


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