この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「…………!」


責任者は大きく開いた目で俺を見てから、大林リポーターとアシスタントに何か指示を出した。


そして大林リポーターがまた場をしきりだす。


「え~…ご覧になったでしょうか!?なんとイルカの青年は本当に動物と話しが出来たようです」


《いやぁ…まさに奇跡ですね》


《こんな事が本当にあるなんて…!素晴らしい》


TVの中からも司会者やゲストたちの驚きや称賛の声が聞こえた。


「もっと詳しくお話を伺いたいのですが…そろそろカメラをスタジオにお返しする時間ですね」


《収録後もインタビューしておいてよ!彼本当にすごいよ》


「そうですね!かしこまりました!では、海堂寿司から突撃deQでした~」


大林リポーターはカメラに向かって笑顔で敬礼した。


ここでTV画面の映像はスタジオに戻った。


そして


「はい、カットです!」


というアシスタントの声で場の空気が一気にゆるんだ。



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