この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「う…うわぁ~!マサルさんて本当に動物とお話出来るんだぁ~!///」
カメラマンや照明が片付けをする中
興奮に目を輝かせた美代が俺の腕に飛びついてきた。
「すご~いびっくり!」
そんな美代に俺は小さく微笑む。
「てかあり得ねぇ…凄すぎだろ…」
「そうよ…だいたいマサルあんたそんなのいつから出来るのよ?!」
ヒゲ男と夏美も信じられないという目で俺に近付いてきた。
「これは生まれつきだ」
そう返しながら
俺は桶の中で狭そうにしている佐之助と弥彦を、一旦生け簀に戻すことにした。
「え~!?じゃあなんで今まで黙ってたわけぇ?」
網で佐之助を持ち上げる俺の背中に夏美が声をあげる。
「別に…そんなにひけらかす事じゃないだろ」
「はぁ?!おめ~馬鹿かよ!俺ならその力使って女の子にモテまくるぞ!」