この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
そして、責任者は俺の隣の美代を見た。


「君はマサル君の彼女かな?」


「え……?」


美代はびくっとする。


「彼氏が芸能人なんて自慢できるよ。君からも彼の成功を後押ししてやってくれよ」


そう言いながら、責任者は美代の肩に手を伸ばそうとした。


「………!!」


俺はその手を払いのける。


「美代に触れるな!」



俺の発言に


責任者も美代も回りにいるヒゲ男たちもみんな驚いた顔をした。


「さっきから…いい加減にしろ!約束を守ってさっさと帰ってくれ!」


俺は責任者をにらみつけた。


地位?…名誉?


そんな薄っぺらなものを手にしてどうするんだ。


そんな欲にまみれた手で美代に触れるな。


聞きたくない。


知りたくない。


早く帰ってくれ…!



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