この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「うん、いいね!」


俺の提案に笑顔を見せる美代。


「あ、でも私…マサルさんと一緒に住んでることパパに言ってない!」


「ん?」


「いくらパパの知り合いのマサルさんでも…一緒に住んでるなんて知ったらパパ怒るかなぁ?」


そう言うと美代はへへっと笑った。


「…………」


そういや、美代には俺は伸太郎の知り合いだって伝えてたっけ。


てか俺…人間の姿で伸太郎に会ったことないよな。


ん……?


つまり……?


俺はスプーンを加えたまま頭をめぐらせる。


………!!!


そして答えにたどり着いた時、俺は思わずスプーンを口から落とした。


カシャ―ンッとフローリングの床に落ちるスプーン。


「ほぇ!?」


「え?あ…や…すまん…」


俺は慌ててスプーンを拾うと、逃げるようにキッチンへ向かった。

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